ストーリーの流れ — まず曲全体をつかむ
この曲は物語というより、2人のMCが交互に"街での凄み"を見せつける構成です。先に大枠だけ押さえておくと、高速の韻に飲まれずに一語ずつ拾えます。
幕開けは、映画『スカーフェイス』からのセリフのサンプル。「戦争がしたいのか?」という物騒な脅し文句が流れ、これから始まる世界の温度を一気に提示します。Raekwonの掛け声がそこへ重なり、稼ぎ(C.R.E.A.M.=現金)を追う者たちの物語の幕が上がります。
Verse 1(Ghostface Killah)は、前述の"言葉の弾幕"。放火、闇、サイファー(仲間の輪)、第9の部屋(Wuの「36の部屋」になぞらえた自分の領域)、イメージを次々に連想で繋ぎ、Five-Percent由来の語彙(gods、sciences、degree)も織り込みながら、圧倒的な勢いで畳みかけます。
Verse 2(Raekwon)は、より具体的なマフィオソの情景。シャンパン、ポロやトミー・ヒルフィガーの服、札束(knot)、漆黒のアキュラ。成り上がりの贅沢と、油断のならない街の現実が交互に描かれる。最後は「これが criminology(犯罪学)ラップだ」と、自分たちのスタイルそのものを名乗って締めくくります。物語の起伏より、語彙と韻の密度で世界観を立ち上げる一曲です。
※本ページは批評・教育目的で、解説に必要な範囲の断片のみを引用しています。全歌詞の対訳は掲載していません。