ストーリーの流れ — まず曲全体をつかむ
この曲に物語はありません。2人が交互に「俺たちが本物だ」を、これでもかと固有名詞のたとえで証明していく自慢合戦です。先に全体の組み立てだけ押さえておくと、一個ずつのパンチラインに集中できます。
軸になるのは、何度も戻ってくるフック。「To the hiddip the hop ya don't stop / Das EFX with the real hip-hop」と、彼ら名物の"iggedy"節で「止まるな、これがリアルだ」と連呼します。この呪文みたいなフックが、曲全体の背骨です。
あいだに挟まる6つの短いバースを、Krazy Drayz と Skoob が交互に担当。中身はほぼ全部、「俺は〇〇だ、△△みたいにな」という形のパンチラインの連打です。
ラッパーをPac-Manのように食う、敬意を払われない様をRodney Dangerfieldにたとえる、自分のスタイルをWebster(辞書)のように"well defined"だと言う。アメリカの有名人や商品名を次々に引いて、自慢とジョークを同時に決めていきます。
下水道(the sewer)から這い上がってきた、というDas EFX独特の自己イメージも繰り返し出てきます。締めのバースでは「ライムをLegoみたいに組む、だから l'eggo my Eggo」と、同音の言葉遊びで自分のスキルを誇示してフィニッシュ。
物語ではなく、言葉の瞬発力だけで全部持っていきます。初めて歌詞を追ったとき、たとえの手数の多さに素直に笑ってしまいました。
※本ページは批評・教育目的で、解説に必要な範囲の断片のみを引用しています。全歌詞の対訳は掲載していません。