この記事の見どころ
★ 「一発屋」レッテルを逆手にとるB-Boyスタンス
I'm the thick... we 特定の1曲だけが大ヒットし、その後メインストリームから姿を消したアーティストへの揶揄。Blahzay Blahzayが「Danger」(1995)以来貼られてきたレッテル , you are spitting
Flush that down the toilet, the alcoholic
Then I hit you with the what you call it, bitch your fucking shit
俺がその大物だ…俺たちが一発屋だって?お前が吐き出すその戯言
そんなものは便所に流してしまえ、アルコール中毒者ども
ならば俺が「アレ」でお前らをぶちのめしてやるよ、お前のそのクソみたいな態度をな
★ 商業時代への挑戦状
Since you thinking you could fuck with this, going back to the 90s
Back nigga, who was 2000年代初頭に登場しヒップホップ産業の構造を完全に作り変えたメガスター、50 Cent(Fiddy)を指すとされる。ヒップホップが商業化された時代の象徴的境界線
Since you thinking you could fuck with me, go back to the 90s
お前がこれに太刀打ちできると思ってるなら、90年代に戻ってみな
戻るんだよ、50セントが誰だったか思い知る時代にな
俺とやり合えると思ってるなら、90年代から出直してこい
Since you thinking you could fuck with this...
Going back to the 90s...
Real hip hop, no gimmicks, just essence.
お前がこれに太刀打ちできると思ってるなら...
90年代に引きずり戻してやる...
これがリアル・ヒップホップだ、ギミックは一切なし、本質だけがここにある。
イースト・ニューヨーク
P.F. Cuttin'とOutloudが1985年に結成したBlahzay Blahzayは、10年間Masta Aceらの裏方として活動した後、1995年の「Danger」で一躍シーンの前線へ躍り出た。Jeru the DamajaをサンプリングしたこのトラックはBillboard Hot 100で46位にランクイン。しかしその攻撃的なトーンが「西海岸への直接的なディス・トラック」と誤解され、2PacとThe Notorious B.I.G.の悲劇的な死の遠因を作ったとする根拠のない陰謀論さえ囁かれた。メンバー自身はこれを一貫して否定している。
カリビアン・ルーツ
客演のREDDDAZ(本名:Cayenne)はトリニダード・トバゴからの移民コミュニティに属する。父親のJohnny CayenneはカリプソのレジェンドMighty Sparrowのバンドでベース奏者を務めた音楽家。DJ Kool Hercがジャマイカ出身であったように、ニューヨークのヒップホップは常に西インド諸島の移民文化(サウンドシステム文化・トースティング等)と不可分に発展してきた。REDDDAZの参加はそのカリビアン・ルーツを生々しく現代に提示している。
キーワード解説
制作秘話 01
2025年の復帰の背後には、イタリア・ローマを拠点とする独立系レーベル「Tuff Kong Records」の存在が決定的だった。同レーベルが1996年のデビュー・アルバム『Blah Blah Blah』を21年越しにアナログレコードとして再発するプロジェクトを立ち上げ、P.F. Cuttin'はInstagramを通じてのアプローチを受けた。当初は警戒したものの、Skypeでの対話とNYCでの直接ミーティングを経て契約。このヨーロッパとの結びつきが新曲制作への強力な原動力となった。
制作秘話 02
本楽曲のリリース日2025年8月13日は、1996年のデビュー・アルバム『Blah Blah Blah』のリリース日と完全に同じ日付である。これは偶然ではなく、ヒップホップの歴史的連続性と自身のレガシーに対する深い自覚に基づく意図的なステートメント。「Back to the NINETEES」というタイトル自体が、過去への退行ではなく現在進行形での精神的原点回帰であることを示している。
制作秘話 03
「Holy Smoke」のプロデューサーAvenueによるビートは、1990年代特有のざらついた質感と首を振らせるグルーヴを現代的な音圧とミキシング技術で再構築。映像はブルックリンの路上・レンガ造りの建物・アーティストたちの確固たる眼差しを捉えた「Classic Material」のCarlosが担当。表面的な模倣ではなく、90年代の精神性そのものを2025年の武器として研ぎ澄ますというアプローチが高く評価された。
後世への影響
「Back to the NINETEES」は単なる懐古趣味ではない。過去の偉大な遺産と洗練された美学を現代の武器として研ぎ澄まし、ノイズに満ちた現代の音楽シーンを切り裂くための「現在進行形のヒップホップ・アンセム」である。
Self-Produced · 1996
Pain I Feel 和訳・意味解説
Blahzay Blahzay
will.i.am Produced · 2006
Hip Hop Is Dead 和訳・意味解説
Nas feat. will.i.am
DJ Premier Produced · 1999
Nas Is Like 和訳・意味解説
Nas
DR Period Produced · 1993
How About Some Hardcore 和訳・意味解説
M.O.P.
DJ Premier Produced · 2002
Classic 和訳・意味解説
Nas feat. Puff Daddy
Blahzay Blahzay
Brooklyn, New York · 1993–
OutloudとP.F. Cuttinによるブルックリンのデュオ。1995年「Danger」でシーンに衝撃を与えた後、商業化圧力を拒絶してアンダーグラウンドに留まり続けた。2025年に約30年ぶりの新作「Back to the NINETEES」をリリース。